肩甲帯バランスアップ3 ~スキャプラローテーション~

今回は肩甲骨の上方回旋・下方回旋をきちんと引き起こすためのトレーニングをご紹介します。

まずは上方回旋に関わる筋肉たちですが、
僧帽筋上部線維
僧帽筋下部線維
前鋸筋

になります。


次に下方回旋に関わる筋肉たちですが、
菱形筋
肩甲挙筋
小胸筋

になります。


これらの筋のバランスが崩れることで、肩甲骨の動きにエラーが起きます。
有名なのに「肩甲上腕リズム」とかありますよね。
結構動きが崩れている人多いんですよ(-_-;)

肩甲骨の動きをしっかりとみて、きちんとエクササイズを誘導するようにしてください。



【スキャプラローテーション】
スキャプラローテーション
■エクササイズ
①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
 インナーユニットの収縮は保ちます。
②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
③体幹の安定を保ちつつ、両手でもったスティックを頭上にあげてキープ。
④肩甲骨を下制させつつ、スティックを背中に引き降ろす。(下方回旋)
⑤肩甲骨が挙上しないように、スティックを頭上に引き上げる(上方回旋)


■ポイント
このエクササイズは、肩甲骨の上方回旋に関わる筋肉、下方回旋に関わる筋肉のコントロールを目的とします。

肩関節屈曲180度の上方回旋の最終域では、肩甲帯はわずかに挙上します。
まったく挙上しないことはないので、この点は覚えて置いてください。
※正確には鎖骨がわずかに挙上・後方回旋、肩甲骨は下制・上方回旋してます。

関与する筋肉は上で書いたとおりです。

きちんと上方回旋ができていた場合、中腋下線まで肩甲骨の下角がきます。
ここもきちんとチェックして、おきます。



■アドバイス
代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

上方回旋時に肩甲骨が挙上する。
⇒僧帽筋下部が弱い
⇒前鋸筋が弱い

肩関節屈曲180度の上方回旋時に肩甲骨下角が中腋下線までこない。
⇒前鋸筋が弱い
⇒肩甲上腕関節がゆるい(ルーズショルダー)
⇒ローテターカフの弱化

下方回旋時に肩甲骨が挙上する
⇒小胸筋が弱い

下方回旋時に体幹が過度に伸展する
⇒広背筋の使いすぎ
⇒体幹の安定性不足

などが考えられます。



肩甲骨の上方回旋・下方回旋は、「肩甲骨⇔上腕骨」に関与する筋肉たちの問題も多く出てきます。
機能解剖をしっかりと理解し、どこに問題があるかを見極める目が必要になります。

難しいかもしれませんが、是非動きを見極める目を養ってください^^


人気ブログランキングへワンクリックありがとうございます^^

⇒肩甲骨バランスアップエクササイズ一覧へ

肩甲帯バランスアップ2 ~シュラッグ アームリフト~

今回は僧帽筋上部繊維・下部線維をメインに鍛えるためのエクササイズを紹介します。


しかし、前回のエクササイズも含め、より理解を深めるために肩甲骨の動きに関する機能解剖を少し紹介しておきます。


【 最低限知っておきたい「胸郭⇔肩甲骨」をつなぐ筋の機能解剖 】

僧帽筋は上部,中部,下部の線維があり、上部線維は挙上,下部線維は下制を内転と同時に行います。
肩関節屈曲/外転において肩甲骨の挙上が不足している場合には、僧帽筋上部線維の活動が不十分である可能性があります。

肩甲挙筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
この筋は第1~4頸椎の横突起に付着しており、頸椎の回旋を制限しております。
肩甲骨には上角に付着しているので、短縮すると肩峰部は挙上しないで上角部だけが挙上されます。
僧帽筋とは回旋動作(上方回旋・下方回旋)で拮抗筋となります。

菱形筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
肩甲挙筋と類似しており、僧帽筋とも共同と拮抗の作用をもち合わせています。
この筋は僧帽筋よりも優位に活動しやすいため、優位過多になると肩甲骨の上方回旋を妨げる可能性があります。

前鋸筋は肩甲骨の外転/上方回旋を行います。
前鋸筋は肩甲帯の主要な外転筋であり、この筋による肩甲帯の制御が不十分な場合には、可動域障害の原因となります。
上腕骨の動きに対する肩甲骨の運動タイミング不良は、僧帽筋の問題と前鋸筋の問題とを識別することが大切です。
どちらも上方回旋筋ですが、内転と外転では拮抗筋になるので、これらの動作に注意すると識別することができます。

小胸筋は烏口突起を前方/尾側に傾けることによって肩甲骨を前方に傾斜させます。
したがって小胸筋が短縮すると下角は内側に回旋し、肩甲骨の上方回旋は妨げられることになります。
関連する因子としては、腹筋の短縮や硬化によって胸郭の挙上が制限される場合、その上方回旋の制限はさらに増悪します。




えーと、ちょっと小難しい説明になったかもしれませんが、とりあえず最低限これらの筋に関しての知識は必要になりますので、是非お手持ちの機能解剖の本で調べてみてください。


それでは本日のエクササイズ紹介です。

【シュラッグ アームリフト】
ミリタリーシュラッグ
■エクササイズ
①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
 インナーユニットの収縮は保ちます。
②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
③体幹の安定を保ちつつ、肩甲骨ニュートラル。上肢を挙上位(肩関節屈曲180度)でキープします。
④肩甲骨を上方回旋位に保ったまま、肩を耳の後方にすくめて、降ろす(挙上・下制)を繰り返します。


■ポイント
このエクササイズは、僧帽筋上部線維・下部線維のコントロールを目的とします。

僧帽筋上部線維の機能解剖は
■挙上・内転・上方回旋 です。

僧帽筋下部線維の機能解剖は
■下制・内転・上方回旋 です。

ただし、上方回旋時は「前鋸筋」の働きにより、外転方向にも肩甲骨が引っ張られますので、エクササイズを内転位でおこなう必要はありません。

これらの機能解剖を意識して肩甲骨の動きをコントロールします。


■アドバイス
代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

上肢の屈曲180度が保てない。
⇒広背筋が固い
⇒小胸筋が固い
⇒僧帽筋上部が弱い
⇒僧帽筋下部が弱い
⇒前鋸筋が固い・弱い

などが考えられます。

このエクササイズをやっていると、10回くらい挙上⇔下制を反復すると、
多くの人が腕が頭より前に出てきます。

やはり肩甲骨周りの筋バランスが崩れているためなので、
きついですが、
・腕の位置をキープしたまま、
・肩甲骨が背骨から指3本分くらいの間を保ったまま、
エクササイズを行うようにしてください。



人気ブログランキングへワンクリックありがとうございます^^


⇒肩甲骨バランスアップエクササイズ一覧へ

5月ADV講習会

みなさん、こんにちは^^
「美姿勢」スペシャリストのさだです。


先週と今週の2週にわたって、I.c.s第2サロンにJCCA認定のADV講習会を開催しました。

201005181604000.jpg

参加者は今回は4名です。
平日で2週に渡っての開催であったのに時間を作って参加して頂き本当にありがとうございました。


今日はコアスタビライゼーションを中心に進めていきましたが、理解はすすんだでしょうか?

呼吸によるインナーユニットの促通から始まり、
呼気における腹筋群の収縮。
その際の腹筋群の動きの見極め。

見慣れると結構簡単に見れることもわかったと思います。

さらに深い部分はステップアップセミナーで行いますので、是非ご参加くださいね^^

理論編⑨ ~インナーユニットの機能異常2~

みなさん、こんにちは^^
「美姿勢」スペシャリストのさだです。


前回、腹横筋の機能異常に関してみていきました。
腹横筋におこる問題は、筋力というよりは、「脳」による制御が上手くいかなくなる原因がほとんどでしたね。


今回は「多裂筋」の機能異常に関してみていきましょう^^

【多裂筋の機能異常】
多裂筋の機能異常

パッとみてわかりますが、腹横筋と違い、多裂筋は”筋そのもの”に問題が起きていますね。
個別にみていきましょう^^


【筋活動の低下】
まぁ、そのまんまですね(笑)
多裂筋は”筋力低下”を非常に起こしやすいといえます。
筋力が低下すれば、当然ですが、骨盤・腰椎の安定性は失われます。

この場合、多裂筋での安定性を代償するために、胸腰椎移行部を過伸展させて姿勢保持をしているパターンを多くみます。


【疲労性】
多裂筋の持久力・耐久力が弱くなります。
インナーユニットは、抗重力中はずぅ~と効いておくべき筋肉でしたよね?

でもこれができなくなる。。
すぐに疲れてくるから。。

疲れてきたら、他の筋で代償して安定をつくろうとします。
しかし多裂筋の代わりができる筋はないため、どうしても安定性不足になり、脊柱に負担を掛けてしまいます。


【組成】
多裂筋自体に組織に問題がおきます。
萎縮して細く、固く、使えない状態になったり、虫食い上になるようです。

そんな状態でまともに働くとは思えないですよね。。
当然安定性は失われ、脊柱に負担を掛けてしまいます。




簡単に3つだけ説明をしましたが、多裂筋は筋自体に問題が起きます。
といっても、しっかりと多裂筋を意識してコントロールを回復させれば、これらの症状も治まってくるのでトレーニングにおいての注意点は腹横筋と同じでOKです。




ではどうして、多裂筋にこのような問題がおきるのか?
実は明確な理由があるんです。
実際多裂筋は結構簡単な理由でこれらの機能異常の状態になってしまいます。

その理由とはなんなのでしょうか?
まて次回(笑)
(続く)


人気ブログランキングへワンクリックありがとうございます^^


理論編 記事一覧



理論編⑧ ~インナーユニットの機能異常~

みなさん、こんにちは^^
「美姿勢」スペシャリストのさだです。


さてさて、ここまでで、
ニュートラルポジションによる重力に対する骨格的安定性(閉鎖位)
インナーユニットの働きによる体幹の安定性(閉鎖力)

を見てきました。


ここで考えてみましょう。
「筋肉」を制御しているのはどこでしょうか?

そう、「中枢神経」ですね!
つまり「脳」です。


なので筋肉は「脳」からの命令なしにはほとんど働くことができません。
※脊髄反射とかは別としますね。


ということは、この「脳」からの命令がうまく伝わらなければ「筋肉」は正しく身体を安定させることができなくなるのは理解できると思います。

だからこそ
①骨-靭帯構造による構造的的支持 :(骨格構造的姿勢安定システム)
②筋システムによる支持         :(筋肉による姿勢安定システム)
③中枢神経による筋システムの制御  :(神経的姿勢調整システム)

の3本柱による安定システムとなっているのです。



ここからが今日のお題といってもよいですね。

「ここまでで「インナーユニット」が身体の安定性にとても大事なのは、もう理解できていると思います。 ではこの「インナーユニット」におこる問題にはどのようなものがあるのか?というところ見て行きましょう。

最初に「脳」による「筋肉」の制御に関して書いているから、どんな問題が起きるかも何となく予想はつきますよね?


【腹横筋の機能異常】
インナーユニットの機能異常

さてさて、まずは腹横筋の機能異常に関して。
といっても、この腹横筋の機能異常が一番多様な問題を引き起こしています。
なのでここを理解すれば、コアのトレーニングの際の注意点はしっかりと理解できると思います。

では上図の機能異常に関してみていきましょう!



【活動遅延】
まずインナーユニット全体の機能として、
■動作に対し、まず一番最初に働き、骨盤・脊柱を「閉鎖力」により安定させ、安全に動作ができるように保護する。
という機能があります。

しかしひとたびインナーユニットに「活動遅延」の機能異常がおきると、本当は「インナーユニット」が一番最初に働かねばならないのに、先に「アウターユニット」が働いてしまう現象がおきてしまいます。

この機能異常がおきると、動作の前に脊柱が保護できないために動くたびに脊柱にずれる力が働き、脊柱を痛めてしまいます。



【方向限定性収縮】
インナーユニットは本来的に
■全方向性で脊柱を保護する
ことが可能な機能をもっています。つまり身体がどんな動きをしてもインナーユニットは働いているんですね!

しかしこの「方向限定性」収縮の機能異常がおきると、ある特定の方向でしか、その機能が発揮できなくなってしまいます。なので、苦手な方向に身体が動くとインナーユニットは働かず、脊柱を痛める可能性が出てくることになります。

この機能異常を考えると、徒手手技のセミナーなどで、「屈曲型腰痛へのアプローチ」とか「伸展型腰痛へのアプローチ」などがありますが、もしこれが「インナーユニットの機能異常」から来るものであれば、インナーユニットへのアプローチをしたほうが効果的に腰痛を緩和することが可能になることが考えられますよね!


【相動性収縮】
インナーユニットは
■立位や動作において常時働いている(つまりずーとONの状態)
でいるのですが、

しかしこの相動性収縮の機能異常になると、動作に合わせてON-OFFをしてしまいます。
OFFになっている時に背骨にずれる力が加わると、脊柱を痛める可能性が出てきますよね(-_-;)


【独立制御の欠如】

インナーユニットは本来「意識していなくても」勝手に働いてくれて独立しているはずなのですが、これが意識しないと働かなくなってしまいます。

電車で寝ているときなど、コックリコックリしても倒れずにいれますよね?
あれらは「立ち直り反射」などと言われる姿勢反射であり、倒れないように無意識に起こされる動きなのです。
そういったときでも本来はインナーユニットが勝手に働いてくれているのですが、
この機能異常になると、「意識しないと」インナーユニットが働かなくなってしまいます。

ずーと、インナーユニットを意識しての生活は不可能ですよね(-_-;)

幸い『脳』というのは、「楽をするのが大好き」な性質をもっていますので、
「同じことを何度も繰り返す」と無意識でもそれができるようにする性質をもっています。

なので、この機能異常にかかったら、インナーユニットしっかりと意識した生活をしておくと、しばらくすると無意識でも働くようになってくれるのです。



【通常運動スピードでの反応不全】
本来インナーユニットは
■ゆっくりとした日常生活動作レベルの動きにも反応する
のですが、これができなくなります。

速い動きではしっかりと働くのに、ゆっくりになると効かなくなる。。
よくスポーツの時は大丈夫なんだけど、日常生活では腰が痛い、という方がいます。
まさにこの機能異常にかかっている可能性が考えられますよね??

このためにインナーユニットの機能異常を改善するエクササイズは、まずはゆっくりとしたスピードで行うことが原則となります。




どうでしょうか?
インナーユニットの機能異常は、まさに「脳」と「筋肉」のリンクが切れた状態になっていると言えますよね?
コアのトレーニングにおいては、この機能異常を理解したうえで、まずはインナーユニットの機能を回復させることから始めるのが基本となってきます。

これを知っているのと知らないのでは、トレーニングの質が大きく変わってきます。
しっかりとコアを意識して、『何のためのトレーニングなのか』を考えて行ってください。



人気ブログランキングへワンクリックありがとうございます^^


理論編 記事一覧



| NEXT≫